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新着情報学校法人昌平黌とエフレイが連携協力基本合意書を締結 記念イベントも開催しました
6月7日、学校法人昌平黌と福島国際研究教育機構(F-REI=エフレイ、浪江町)は、連携協力に関する基本合意書を締結しました。締結式は本学にて行われ、両機関の代表・関係者に加え、いわき市の内田市長も出席しました。今回の締結は、学校法人昌平黌とF-REIがこれまで築いてきた協力関係を更に発展させ、福島の復興創生により一層貢献していくための新たな一歩となるものです。
基本合意書では、研究開発、人材育成、人材交流、施設・設備の相互利用などの連携事項が定められています。今後は、両機関の間で協議を重ね、それぞれの事項を具体化していくことになります。
福島国際研究教育機構の山崎光悦理事長と学校法人昌平黌の緑川浩司理事長が基本合意書に署名し、双方で合意書を取り交わしました。内田市長が立会人となりました。
【山崎理事長の挨拶】
F-REIの山崎理事長はご挨拶の中で、両機関の協力関係が深まりつつあるとした上で、学校法人昌平黌の120年にわたる歴史と実績を高く評価しました。また、アメリカ・ハンフォードの二大学(ワシントン州立大学トライシティーズ校・コロンビアベイスン短期大学)との連携が現在進んでいる東日本国際大学の「大学の世界展開力強化事業」の採択も高く評価し、「アメリカとのいろんなやり取りが基礎になって、しっかりとしたサポート体制ができている」と述べました。
そして、F-REIの4つのミッション(研究開発、産業化、人材育成、司令塔機能)を説明し、特に人材育成の重要性を強調した上で、「この地域に生まれ育った若い世代をしっかりと育て、最終的にはこの地域に戻って一緒にこの地域を支える、そして繁栄をつくっていくというのは非常に大事」だと述べ、F-REIが浜通り地域に根を下ろして、地域の若者を育成することで浜通り地域の繁栄につなげていきたいと抱負を述べました。
【緑川理事長の挨拶】
東日本国際大学の緑川理事長は挨拶の中で、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故に際して復興への尽力を決意したことを振り返り、「我が大学の使命として、地域復興の人材をどれだけ多く輩出するかということを13年間考えてきた」と述べました。福島第一原子力発電所の廃炉作業が今後数十年にわたることを踏まえ、世代を超えて復興創生に取り組む必要性を訴えました。
緑川理事長は、東日本国際大学が福島第一原子力発電所に最も近い高等教育機関として、復興創生に取り組む熱い志を持った若者を育てていく決意を表明し、F-REIとの連携協力が大きな意味を持つと強調しました。また、3年前に設立された「一般社団法人福島浜通りトライデック」の活動にも触れ、地域住民の「ふるさと」を創生するという観点から、F-REIと緊密に連携していく姿勢を示しました。
【内田市長のご挨拶】
地元いわき市の内田市長はF-REIによる世界最先端の研究と人材育成に大きな期待を寄せました。いわき市内の企業とF-REIによる共同研究が始まっていることに触れ、今後ますますF-REIと連携を深め、新しいイノベーションを起こしていきたいと意気込みを語りました。
東日本国際大学が地元の若者に質の高い教育を提供し、地域への定着と還流に大きく貢献していることを高く評価しました。内田市長は、今後も両機関の取り組みを全面的にバックアップし、行政としてもしっかりと間に入って相乗効果を生み出していきたいと語りました。
なお、山崎理事長と内田市長は、「大学の世界展開力強化事業」に選定された東日本国際大学の「未来へつながるコミュニティを創る日米大学間復興創生交流事業(令和5年度~9年度)」にご協力いただいており、今夏から配信が開始されるe-learning講義「福島浜通り復興創生学」にもゲスト講師としてご講義いただいています。
【記念イベントの開催】
はじめに、東日本国際大学の学生たちが、大学の世界展開力強化事業「2023年度米国ハンフォード研修」の一環としてアメリカを訪れ、その経験を報告する会が開催されました。この報告会では、研修模様の紹介と学生一人一人が成果報告を行いました。
この中では、学生たちがハンフォードで体験したさまざまな貴重な出来事が詳しく語られました。
まず、彼らはハンフォードの大学の広大なキャンパスを巡るツアーに参加し、アメリカの大学生活を肌で感じました。現地の授業に実際に参加する機会もあり、異なる教育スタイルに触れることで、新たな学びの可能性を発見しました。
また、学生たちは「Reach Museum」を訪れ、地域の歴史や文化について深く学びました。異文化交流を通じて、彼らは視野を広げ、多様な考え方を理解する力を養いました。また、トライシティーズの広大なワイナリーを訪れ、美しいブドウ畑に囲まれながら、地元の産業の重要性を実感しました。
さらに、学生たちは歴史的に重要なハンフォードサイトの原子炉を訪問しました。この施設は、第二次世界大戦中のマンハッタン計画の一環として建設されたものであり、科学技術の進歩とその社会的影響について深く考える機会となりました。
具体的なエピソードとして、ある学生は原子炉の見学を通じて、エネルギー問題や環境保護の重要性を再認識したと話しました。
報告会は、彼らの成長と意欲に満ちた姿を示す場となり、参加者全員にとっても大変有意義な時間となりました。
この後、山崎理事長が「福島国際研究教育機構の挑戦」というテーマで記念講義を行いました。
本講義では、山崎理事長が福島国際研究教育機構(略称:F-REI)の設立について述べ、福島復興再生特別措置法に基づき、令和5年4月1日に設立された特殊法人であると言及しました。 福島をはじめ東北の復興を実現するための夢や希望となり、 我が国の科学技術力・産業競争力の強化を牽引し、経済成長と 国民生活の向上に貢献し、世界に冠たる「創造的復興の中核拠点」を目指すと語りました。
福島再生復興基本計画による創造的復興の拠点形成や福島国際研究教育機構の発足と第一期中期目標について東日本国際大学の大学生むけに講義をしました。また、研究開発の方針と人材育成および連携活動、産業化に向けた地域座談会や福島浜通りの未来づくりについて詳しく説明しました。
また、福島国際研究機構が福島の発展に向けて実施している様々な活動にも触れ、放射性物質の環境動態研究や地域との一体となった長期的な復興・再生まちづくりへの取り組みを紹介しました。とりわけ、福島国際研究機構が以下の5つの分野に重点をおいて研究活動を行っており、長期的な復興・再生まちづくりに貢献しています。
1.ロボット分野(ロボット・ドローン関係)
耐放射線性、耐水性、耐熱性などを備えた高機動性を有するロボットの開発、自律制御、群制御などを実現するための知能化研究、生物がもつ感覚機能などを高める機能拡張研究などを行います。それらの成果を活用して、 廃炉や災害時、宇宙空間などの過酷環境下で稼働できる高機動性ロボットの開発、高ペイロードで長時間 飛行が可能な高機能ドローンの開発、自律移動型ロボットの開発などを推進します。
2.農林水産分野
農林漁業作業の完全自動化・ロボット化・スマート化などによる超省力化・超効率化と、森林資源の有効 活用などにより多収益・大規模モデル確立によって地域循環型経済モデルの構築を目指します。一方、RIトレー サー活用による品種改良、有機栽培、汚染土壌改良に関する基礎研究を推進します。
3.エネルギー分野
福島を日本のカーボンニュートラル先駆けの地とするために、再生可能エネルギーを中心に、エネルギー製造、 貯蔵、輸送、利用に関わる研究開発を行い、そのなかで社会実装を目指してのリスク評価、法規制、技術 基準の策定なども課題とします。水素・アンモニアなどを使ったエネルギー活用、CO2回収やエネルギー源として の利用などに関する研究を推進します。再生可能エネルギーの活用をベースとすることでカーボンニュートラル、さ らにはネガティブエミッションが実現可能なことを実証し、その展開によりサステナブルな社会の実現に貢献します。
4.放射線科学・創薬医療、産業利用分野
ウエル・ビーイングへの貢献を目指して、放射線利用に関する基礎研究に加えて、医療のみならず農業、工業分野での産業利用を見据えた技術開発を推進します。医療分野では放射線トレーサーを利用した診断技術 の開発や、放射線標識化合物によるがん標的薬の開発、農業および工業分野では放射線を利用した計測科学研究と技術開発を推進します。
5.原子力災害に関するデータ・知見の集積・発信分野
森林の植生、土壌など放射能汚染からの環境回復にかかる環境動態計測の継続とデータベースの構築、それらの情報発信と、コミュニティの合意形成を促進する社会科学的研究を推進することで、未来の活気ある まちづくりに貢献します。
最後に山崎光悦理事長が福島の発展に貢献するよう若い世代を激励しました。
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