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新着情報【世界展開力強化事業】2025年度米国ハンフォード研修が実施されました!
【写真:トライシティーズ空港での到着セレモニーの様子】 撮影:Tyler West
はじめに
2026年2月20日から3月9日にかけて、本学が主催する「2025年度米国ハンフォード研修」が実施されました。東日本国際大学と福島高専の学生10名が、米国ワシントン州トライシティーズを訪問し、WSU Tri-Cities(ワシントン州立大学トライシティ校)およびCBC(コロンビア・ベイシン・カレッジ)のパートナー機関と連携した約3週間のプログラムを修了しました。
本研修は、文部科学省「大学の世界展開力強化事業(米国)」に採択された日米共同教育プログラムの一環として実施されています。福島第一原発事故を経た福島県浜通り地域とハンフォード核施設を抱えるトライシティーズは、共通の歴史的テーマを持つ地域として、長年にわたる国際教育連携を今日まで継続しています。
研修の全体構造
本研修は大きく2つのフェーズで構成されており、期間中、学生たちはトライシティーズの地域家庭にホームステイしながら各プログラムに参加しました。
前半のWSU Tri-Cities Week(2月23日〜27日)では、ワシントン州立大学トライシティ校を拠点に、ハンフォード・ヒストリカルサイトやLIGO(レーザー干渉計重力波観測所)などの研究施設の訪問、歴史学講義への参加、そして現地学生との交流プログラムを実施しました。
後半のCBC Week(3月2日〜6日)では、コロンビア・ベイシン・カレッジを拠点に、学生による英語プレゼンテーション発表、日本語学習学生との交流、地域の多文化イベント「マルチカルチュラルフェスティバル」への参加などを行いました。研修の締めくくりとして、学生が自身の学びを言語化・発信する機会を設けたことも、本フェーズの重要な柱となっています。
WSU Tri-Cities Week (2月23日〜27日)―― ハンフォードで学ぶ原子力の科学と歴史
【写真:WSU Tri-Citiesでの授業参加(History 105)の様子】撮影:長谷川健司
WSU Tri-Citiesでのプログラムは、地域の研究・産業資源を活用した実地学習が中心です。LIGO(レーザー干渉計重力波観測所)の見学では、重力波の直接観測に世界で初めて成功した施設を訪問し、研究者から実験の原理と意義について説明を受けました。ハンフォード・ヒストリカルサイト(Hanford Historical Site)では、マンハッタン計画以来の核開発の歴史について、世界的にも稀有なアーカイブスの中で学ぶ機会を得ました。
学術プログラムとしては、Robert Franklin助教(WSU)と長谷川健司講師(本学)によるハンフォードと福島の歴史に関する共同講義やMark Triplett氏によるハンフォードの現状説明、TRIDEC(地域経済開発機構)によるトライシティーズ地域の紹介、持続可能な航空燃料ラボ訪問、PNNLの技術移転紹介、AR/VRラボ実習、Pythonプログラミング演習など多岐にわたる内容が提供されました。
課外活動としては、ウェルカムディナー、WSU学生・教育学部学生との交流、スカベンジャーハント、ワイン・サイエンス・センターの見学、ワナパム・ヘリテージ・センター(先住民文化センター)訪問なども実施されました。
CBC Week (3月2日〜6日)―― 多文化社会と向き合い、学びを発信する
【写真:CBCの学長・副学長らとの集合写真】撮影:Elizabeth Burtner
CBCでのプログラムでは、米国で日本語を学ぶ学生との交流が深められたほか、学生が研修前半の学びを整理・発信する場が設けられました。英語による口頭発表では、各学生が事前準備してきたテーマを現地学生の前でプレゼンし、質疑応答を行いました。
この期間は日系企業の全農ヘイ株式会社(ZEN-NOH HAY,INC.)や、ジャガイモ加工会社であるLamb Weston社、世界最大の冷凍貯蔵庫を誇るLineage社を訪問・見学するなど、グローバルチェーンを通じて日本とも関わりの深い企業活動を現地で知る貴重な機会にも恵まれました。また、CBCに付設されたプラネタリウムの見学やアイスホッケー観戦など、アメリカの大学文化・スポーツ文化に触れる体験も組み込まれました。
研修の集大成となったのが、3月5日(木)にCBCで開催され、地域住民の方も含め300人以上が来場したマルチカルチュラルフェスティバル(Multicultural Festival)の企画・参加です。
【写真:マルチカルチュラルフェスティバルで日本の踊りを披露する様子】撮影:Tyler West
先住民の方々やラテンアメリカにルーツを持つ住民の方々をはじめ、多様な文化的背景を持つ人びとが暮らすトライシティーズの多文化性を体現するこのイベントで、本学の学生たちはいわき踊りやソーラン節といった日本の踊りを披露しました。法被姿で舞台に立ち、現地の学生や観客とともに踊る場面は、研修全体を締めくくるにふさわしいものとなりました。
ホームステイと学生交流 ―― 日常の中の異文化理解
【写真:研修に参加した石井さんとホストファミリー】撮影:Tyler West
研修期間中、学生たちはトライシティーズの地域家庭にホームステイし、授業や見学では得られない等身大のアメリカの生活を体験しました。ホストファミリーとの夕食の場での会話、週末の外出、何気ない日課の共有——こうした日常の積み重ねが、英語運用の実践の場であるとともに、異文化理解の核心となりました。
【写真:WSUでの学生交流の様子】撮影:Mohamed Eljack
また、WSU・CBCの現地学生との交流も研修の重要な要素です。ゲームや食事を介したインフォーマルな交流から、スカベンジャーハントや授業内グループワークといった組織的な場まで、様々な形で接点が設けられました。日本語を学ぶCBCの学生との交流では、互いに言語を学ぶ者同士として自然な対話が生まれ、参加学生にとって特に印象深い経験となったようです。
学生の声 ―― 研修が変えたもの
参加学生へのアンケートから、研修を通じた学びと変容の一部を紹介します。
英語・コミュニケーションについて
「初日はなにを言っているか全くわからなかったが、最終日は少しずつ聞き取れる単語も増えていたことに成長を感じた」
「日に日にホストファミリーやアメリカの学生との会話で翻訳アプリを使う頻度が減っていった」
「コミュニケーションは文法などの言葉の正確性ではなく、伝えたい思いや気持ちが先行するんだという当たり前の事実に気づいた瞬間があった」
異文化・価値観について
「アメリカに行って感じたのは人の温かさであり、もっと多くの世界を見てみたいと思った」
「見ず知らずの人間に対してここまで親切にすることができるんだということを知り、自分も同じように人に対してできることがこれからの目標になった」
今後の学びについて
「放射線・原子力の科学と歴史はもちろん、地域の人々に声を傾ける姿勢を大切にしていきたい」
「米国のエスニックマイノリティについて学びたい」「スペイン語の勉強をして、地域の歴史をより深く知りたい」
また、来年度以降の参加者へのメッセージとして、多くの学生が「英語力よりも積極性が大切」「まずは飛び込んでみることで得られるものがある」と記しています。
【写真:WSUでのウェルカムパーティーでホストファミリーと】撮影:志賀さくら
おわりに
本研修は、異文化コミュニケーション力と外国語運用能力の向上を一つの目標としながらも、それにとどまらない学びの場を提供することを目指しています。トライシティーズと福島という、核の歴史と向き合いながら地域再生を模索する両地域をつなぐ視点の涵養は、本学が地域に根ざした国際教育機関として担うべき役割の一端を示すものです。
本研修の実施にあたり、WSU Tri-Cities・CBCの教職員・学生のみなさん、ホストファミリーのみなさん、および関係機関の皆様に深く感謝申し上げます。
来年度も引き続き、このプログラムを発展させてまいります。
【また来年もお会いしましょう!】撮影:Tyler West
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