
本事業の経緯
文部科学省の令和5年度大学教育再生戦略推進費「大学の世界展開力強化事業~米国等との大学間交流形成支援~」において、東日本国際大学と福島工業高等専門学校の「未来へつながるコミュニティを創る日米大学間復興創生交流事業(令和5年度~9年度)」が採択されました。
文部科学省のこの事業は、日本の大学が米国等との大学・学生間の交流を促進し、戦略的な国際ネットワークを草の根から強化することを目的としたものです。今回は、全国の国・公・私立大学17大学から申請があり12大学が選定されました。東北地方からの選定は本学のみです。また、この世界展開力強化事業は平成23年度から毎年実施されていますが、地方私立大学で選定されるのは東日本国際大学が今回初めてのケースとなります。
東日本国際大学は、福島工業高等専門学校、一般社団法人福島浜通りトライデックと連携し、かねてから交流がある米国ハンフォード地域に立地するワシントン州立大学トライシティーズ校、コロンビアベイスン短期大学、ハンフォードトライデックと提携して「未来へつながるコミュニティを創る日米大学間復興創生交流事業」を推進し、地域コミュニティを復興・持続させるために、どのようなイノベーションを起こしていくかを検討する交流プログラムを推進していきます。 本交流プログラムは、日本の福島浜通り地域と米国ワシントン州ハンフォード地域との国際交流を中心として実施しています。両地域は原子力開発と復興創生という歴史的な経験を共有しており、互いに学び合い、共同で学生に対してイノベーション力を育むという他の地域にはない独自のバックグラウンドを持つ立場にあります。

未来へつながるコミュニティを創る日米大学間復興創生交流事業とは
福島浜通り地域と米国ハンフォード地域における地域活性化を牽引する、国際的に活躍できる創造性豊かな学生を育成します。学生は、環境修復、原子力発電所の廃炉、再生可能エネルギー、健康、リスクコミュニケーション、地域イノベーションといった分野における幅広い知識を身につけます。COIL/VEをベースとしたオンライン学習や、海外実習を含む体系的な国際カリキュラムを通して、分野や国境を越え、災害復興と持続可能な開発に貢献する次世代のリーダーを育成します
本事業の目的は、特に日本の福島浜通り地域と米国のハンフォード地域の復興創生を主導できる、グローバルに通用する学際的かつ地域志向の人材を育成するための持続可能な国際教育プログラムを開発・実施することです。
福島浜通り地域の高等教育機関(東日本国際大学、福島工業高等専門学校)と米国ハンフォード地域の高等教育機関(ワシントン州立大学トライシティーズ校、コロンビアベイスン短期大学)とのこれまでの連携を活用し、以下の事項を目標として掲げています。
- 復興創生に必要な科学的、文化的、そして社会経済的知識を備えた、創造的で国際的なリーダーを育成する。
- 福島浜通り地域と米国ハンフォード地域における原子力災害復興モデルを比較検討し、それらの類似点及び相違点について理解する。
- 両地域の学生と教員間で相互交流や相互理解を進め、長期的な連携関係を構築する。
- 交流プログラムはオンライン中心で座学を学び、現地にて対面での授業、実習を通して学びを深めていく
モジュールI(レジリエンス):両地域の復興創生の歴史、教訓、そして戦略に焦点を当てたオンラインCOIL/VEベースのコース。
モジュールII(イノベーション):対面式の国際交流とインターンシップを通して、学生はフィールド学習、共同研究、地域開発活動に参加する。 - 学生には、国際的に認められた形式のプログラム修了後にオープンバッチが付与されます。
事業で養成する人材像
本プログラムで育成すべき目指す人材は、文理の枠を超えて地域の復興創生を担う国際的創造的人材です。
自分達が暮らす地域が直面している課題を歴史から又は同様の問題を抱える地域と比較し、解決策の違いを分析し、その分析結果をフィードバックすることで創造的な解決策を見つけることのできる能力です。
具体的には、以下の能力を有する人材を想定しています。
- 科学的リテラシーや批判的思考力をベースに、自らの専門分野を超え連携できる。
- 英語をはじめとした復言語能力をベースに国際的に連携できる。
- 必要な解決策を実行に移せるリーダーシップを発揮することができる。