公開授業「人間力の育成」が行われました。

10月10日(土)、東日本国際大学1号館の2F階段教室で、平成27年度 東日本国際大学公開授業 「人間力の育成(全5回)」が行われました。

第一回目となる今回の授業は、東日本国際大学 特任教授で脳科学者の中野信子先生が「脳はどこまでコントロールできるか」という演題で講演を行ないました。

 

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講演中の中野信子先生

 

日本人には相手に対して不条理を許さない、「誠実性が高く真面目なタイプ」の遺伝子の人が多い事が研究でわかっているそうです。その理由には3つあり、1つめは多くの激甚な災害を乗り越えてきたこと、2つめは農耕民族として経験知や高い技術を確実に次世代に伝承してきたこと、3つめはかつては単一民族であったこと、が挙げられるとのことです。

日本は世界の中でも災害の割合が多い国ですが、そうした災害を乗り越えて復興をするためにお互い協力行動ができる人や、防災の意識が高い人が生き残ってきたと考えられるそうです。また、日本では、江戸時代に入ると、「村八分」という制裁行動がありましたが、これは集団の協力行動を守るために行われ、いわゆるフリーライダーによる生産性の低下を防ぐために行われてきたそうです。このように、日本人は集団で助け合う一方、集団の行動を乱す存在には厳しい対応をすることで生き延びてきました。

慎重に物事を進める事、人を信頼する事、言われた事をその通りに実行する事は日本人の性格の特徴の一つですが、そうした特徴は一つの組織や共同体を存続させる事に役に立つそうです。100年以上続いている会社のおよそ8割は日本に集中していて、200年以上続いている会社は3000社もあるそうです。(ちなみに中国は5社。)

最後に中野先生は、21世紀に入って日本にもグローバル化の波が押し寄せていますが、ただ欧米諸国の真似をするのではなく、このような日本人の特性を生かした、日本型のイノベーションを考えてこの波を乗り越えていきましょう、と述べました。

 

次回の公開授業は、ぴあ株式会社の矢内廣 代表取締役社長と東日本国際大学の吉村 作治学長が公開対談形式で講演を行います。

◆平成27年度東日本国際大学公開授業第2回 概要

【テーマ】 「いわきの未来を拓(ひら)く~若者文化の創造」

【日 時】 11月14日(土) 12:50~14:20

【会 場】 東日本国際大学 1号館 階段教室

【協 力】 一般社団法人チームスマイル・いわきPIT

【出演者】

・ぴあ株式会社 代表取締役社長 矢内廣先生

・東日本国際大学 学長 吉村作治先生

 

※一般の方にも公開します。参加ご希望の方は、電話にて事前にお申し込みください。

お問い合わせ・申込窓口

東洋思想研究所 TEL: 0246-21-1662