長崎大学連携オンライン講義「復興学セミナー」を開催

長崎大学との連携協定に基づく集中講義「福島原発事故と災害復興」を「放射線災害復興学セミナー」と同時に9月7日から9日まで、さらに「復興学セミナー」を9日、10日の両日、並行して開催しました。(主催:東日本国際大学 健康社会戦略研究所、共催:長崎大学 福島未来創造支援研究センター)例年は福島県川内村での実習が特徴の講義ですが、今回は新型コロナウイルス感染症対策のため、川内村での実習や体験はなかったものの、オンラインで全国複数の大学をつないだ有意義なセミナーとなりました。

 

■「放射線災害復興学セミナー」1日目

はじめに、長崎大学の高村昇教授からあいさつを兼ねて「放射線被ばくと健康影響」のテーマで講演。放射線とは何か、といった基本的な知識を学びました。次に川内村の遠藤雄幸村長が「これからの福島を担う若者たちに学んでほしいこと」と題し、原発事故災害の現地首長の立場で、熱のこもった講演を行いました。再び長崎大学の折田真紀子助教から「リスクコミュニケーション活動について」、続いて万福裕造先生を中心にオンライングループワークを行い、他大学の学生や教員とzoomでコミュニケーションを取りながらディスカッションを繰り広げました。

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初めてのオンライン開催となった講義

 

遠藤村長講話

川内村・遠藤村長

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オンライン上で多くの参加者と交流

 

 

■「放射線災害復興学セミナー」2日目

2日目午前は、前日の振り返りをグループワークで行い、学生同士の交流も兼ねながら、講義で分かったことまたはわからなかったことを再確認。次の講義に備えました。

再びオンライン講義に移り、原子力規制庁からは「廃炉の現状について」、長崎大学の平良文亨助教は「放射線被ばくと健康影響(環境影響編)」について講義。続いて福島県立医科大学の坪倉正治教授は「福島県民健康調査について」をテーマに基調な資料を基に講義しました。川内村の住民である井出寿一氏(川内村元総務課長)からは「東日本大震災対応の経験からの教訓」について当時の経験を踏まえて教えていただきました。参加したいわき短期大学生が期待していた、かわうち保育園の訪問は今回、Web上での訪問として行われました。園の様子を伝えてくれたのは、いわき短大の卒業生で、在学生は活発に質問をしました。

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1日目を振り返り学びを整理

 

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自然豊かな川内村の環境を体感

 

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いわき短大卒業生が園を紹介

 

 

■「放射線災害復興学セミナー」3日目、「復興学セミナー」1日目

「復興学セミナー」も併せて開催となったこの日は、本学健康社会戦略研究所 石井正三所長が本学をメイン会場に登壇。「災害医療体制構築と原子力災害」について、豊富な経験から示唆に富んだ講義を発信しました。九州大学助教で本学健康社会戦略研究所客員教授の永田高志先生は「原子力災害拠点病院の整備と課題 東日本大震災から10年を経て」と題し、原発事故当時の対応を振り返りつつ講義し、「放射線災害復興学セミナー」の最後は、高村教授を中心にグループディスカッションで締めくくりました。

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ディスカッションも活発に2日目の振り返り

 

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健康社会戦略研究所・石井所長の講義

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永田高志先生

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グループディスカッションでのまとめと発表の様子

 

■「復興学セミナー」2日目

10日、入れ替わった参加者に向けて川内村の遠藤村長に再度講義をいただき、折田先生からは「放射線に関する保健活動について」を講演。全日程の最後は、高村教授を中心に川内村住民の方との意見交換会を行い、全てのプログラムを終えました。