公開授業「人間力の育成(第4回)」を行ないました

12月19日(土)、東日本国際大学1号館の2F階段教室で、平成27年度 東日本国際大学公開授業 「人間力の育成(第4回)」が行われました。4回目となる今回の授業は、尾車親方(大相撲 元大関  琴風)を講師に迎え、「七転八起の相撲人生と人間力」というタイトルで講演が行われました。

尾車親方は現役時代、度重なる膝の怪我に悩まされながらも、「がぶり寄り」を武器に見事大関まで昇進した方です。実に波乱万丈な相撲人生における数々のエピソードは今だに語り草になっているそうです。現在は、日本相撲協会巡業部長や協会事業部長を務める傍ら、NHK総合テレビの『サンデースポーツ』の相撲解説者として場所ごとに出演されています。

 

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講演では「勝つまでやれば必ず勝てる。結果を出せなければ頑張ったとは言えない。勝つまで頑張った人が一生懸命やったと言えるのであり、粛々と結果を求めていけばよいのである。」

「人は弱い。一人では絶対に強くなれない。周りの人がいてこそ自分が変わる事ができる。他人がいて、その周囲の助けがあってこそ、人は変わる事ができ、成長をする事ができ、またやりたい事が続けられる。」

「今回は負けても次は必ず勝てる。そういう日が必ず来る、と思う事が大事である。そのためにはしっかり稽古をして、礎となる物を築く事が重要である。」

「みなさん全員が一番になる事はできないが、一番になろうとして戦った事は必ず身につく。」

など、勝利するため、成長するため、普遍的に大切な事をご自身のエピソードを交えてお話になりました。

 

運動はだいぶ苦手だったそうで、学校の通信簿の五段階評価では、体育以外はオール5だった事もあるそうです。運動音痴で、入門当初は泣いてばかりの気持ちも強くなかった自分が大関になったという経験から、「人間はやってやれない事はない。」との確信があるそうです。また、困難に直面した時は「頑張ろう!頑張ろう!頑張るぞ!」ではなく、「ちくしょう!ちくしょう!この野郎!」という気持ちで自分を奮い立たせたそうです。親方は、叱ってくれる存在がいたから今の自分があるとも言っていましたが、本当に自分を思ってうるさく怒ってくれるのか、もしくはただ意地悪でうるさくしているのか、これを見極める事も人生の中で大事であると言っていました。

講演の最後で親方は、「土俵は人生の縮図。相撲の技で言う、引いたり、うっちゃったり、はたきこみなど、相手の力を利用したり、下がったりして乗り越えるのではなく、苦しいかもしれないけれど、押して、寄って、釣ってのように前に出る人生を歩んで頑張っていきましょう。」と語りかけました。

 

数々の困難を不撓不屈の精神で乗り越えた親方の言葉は、口調は柔らかくもキレがあって説得力がありました。聴講した学生や一般の方は、ユーモアもたっぷり交えたその語り口に引き込まれている様子でした。

 

 

次回の公開授業は、東日本国際大学客員研究員の三浦健一氏 が「ホスピタリティを考えるー「まちづくり」の現場からー」というテーマで講演を行います。

 

◆平成27年度東日本国際大学公開授業第5回 概要

【テーマ】 「ホスピタリティを考えるー「まちづくり」の現場からー」

【日 時】 1月30日(土) 12:50~14:20

【会 場】 東日本国際大学 1号館 階段教室

【出演者】三浦 健一先生(東日本国際大学客員研究員、北海道大学大学院 国際広報メディア観光学院博士課程)

※一般の方にも公開します。参加ご希望の方は、電話にて事前にお申し込みください。

お問い合わせ・申込窓口

東洋思想研究所 TEL: 0246-21-1662

 

三浦 健一氏(みうら けんいち)


1990年生まれ。東京都出身。東日本国際大学客員研究員。北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程。公共政策学修士(MPP)。19歳の時に物真似芸人としてデビュー。テレビ、ラジオ、舞台などに多数出演。専門は文化人類学、公共政策学。研究対象はホスピタリティ(hospitality)、コミュニティ・ベースド・ツーリズム。札幌の地域FM局で約1年半の間、「三浦健一のNANMO×2」のメインパーソナリティを務めた。